私だけのアイドルだったのにな選手権

私だけのアイドルだったのにな…※アイドルマスターSideMの二次創作企画です。公式様とは一切関係ございません。

#私だけのアイドルだったのにな選手権 予選第8ブロック

皆様お疲れ様です。つのです!いよいよ#私だけのアイドルだったのにな選手権 予選第8ブロックです。今回の投票期間は1月18日0:00~1月19日23:50です。ご注意ください!投票フォームはページの一番最後にございます。好きなエピソード3つに投票してください。

1.硲道夫

道夫お兄ちゃんは私の家の近所に住んどって、五コ上のお兄さんやった。うちは上のきょうだいがおらんかったから、私は道夫お兄ちゃんにだいぶ懐いてました。 他の近所の子らはなんとも思てへんかったみたいやけど、私から見て道夫お兄ちゃんは子供の頃から頭は良かったし、足もそこそこ速かったし、顔も男前やった気がする。まあ、女の子って身近な年上のお兄さんってだけで大概好きやん?私もそれでした。 私が低学年くらいの時やったかな。クラスの男子で誰が好きとか、結婚したいかとか、女の子らのそういう話についていけんで私がいじけてた時、道夫お兄ちゃんにその話したら「自分もよくわからない」「結婚は、いつかわかるようになった時にするものなんやないか」って言うてくれたんよ。 私はお兄ちゃんと一緒の気持ちなんがうれしくて、お願いしたんよね。「大人になっても好きな人ができんかったら、道夫お兄ちゃんのお嫁さんにして」って。 子供の頃のしょうもない約束やったけど、私は頭の片隅でずっと覚えとった。でも、大人になるのって何歳からなんやろとも思てました。 道夫お兄ちゃんや私が大学に進学した時、二十歳になった時、就職した時、昔見たドラマのヒロインと同じ25歳になった時……彼や自分にとって節目だと思える時を迎える度に、道夫お兄ちゃんから連絡ないかなと気にしてみたりして。けど、いつまで経っても何の音沙汰もなくて。 普通やったら忘れられたんやと思うとこやけど、あの人に限ってそれだけはありえへんって思ってた。 今年で28になります。半年前、あの人ではない人と結婚しました。 ついこないだ実家の母から、久しぶりに道夫お兄ちゃんに会って私の結婚のことを伝えたと聞きました。盆でも正月でもなかったのに彼が地元に帰って来ていたのは、教師を辞めて別の仕事を始めることになって、あんまり実家に顔出せんようになるからやったそうです。 母は道夫お兄ちゃんが私へのお祝いの言葉と一緒に、ちょっと不思議なことを言っていたのを教えてくれました。 「ちゃんと好きな人ができてよかった」 それを聞いて、あの人はやっぱり約束を覚えてくれとって、道夫お兄ちゃんは今も道夫お兄ちゃんのままなんやなと思いました。たとえば私が三十路になるまで待っとったら、ほんまに迎えに来てくれたんちゃうかと、ちょっと後悔もしました。 大人になったらって約束やったのに迎えに来てくれへんかったのは、もしかしたら子供の時と全然変わってへん道夫お兄ちゃんは今もまだ自分のこと大人と思ってへんのとちゃうかと思います。 ……というのがまあ、自分への慰めで。 ほんまはわかってるんですよ。大人も子供も関係ない。私が道夫お兄ちゃんにとってそういう存在やなかったってだけの話なんやって。 あの人、本気で欲しいと思ったものややりたいことは、どんな手段使っても絶対諦めへん人やったから。そういうところが一番かっこよかったんやもん。 学校の先生からアイドル、大変そうやけど頑張ってください。こないだデビューCD買いました。 子供できたら一緒に聴こかなと思います。なんか頭良うなりそうな歌やし。

2.黒野玄武

オウケン高校の近くにある高校に通っていました。 毎朝同じ時間に同じ道を歩いていて、大人っぽい雰囲気に惹かれて一目惚れしました。 彼の事は本当に何も知らなくて。途中で通学路も別々になりますし、会話をした事は1度もないです。でも、真っ直ぐに歩く姿とか、少し怖いけど整った顔とか、どこか近寄り難い雰囲気とか全部全部、確かに彼の事が好きでした。 私は引越ししてもう違う場所に住んでるんですけど、テレビで彼を見て初めて名前を知りました。黒野玄武さん。 画面越しですけど、また会えて本当に嬉しかった。きっと、これからもずっと大好きです。

3.桜庭薫

恋バナとかじゃなくてすみません。 手術が怖くて泣いてた時にかけてくれた「君は僕を信じていればいい」という言葉、忘れません。アイドルになった桜庭先生を応援できるのは、他でもない桜庭先生のおかげです。 ありがとうございます。

4.秋山隼人

部活紹介で、部員が少なく盛り上がりに欠けていた中、それでも懸命にギターを弾いて歌い続ける姿がかっこよくて、一目惚れしました。同じクラスになった黒髪の男の子は真っ先に軽音部に入部届けを出しに行ったそうなんですけど、私にはそんな勇気がなくて……学校でたまにすれ違うくらいで十分幸せだったんです。 だってあの先輩、すっごく眩しかったから、下心丸出しな自分が恥ずかしかったというか……でもなんか、モテたいって言ってたとか、先輩が軽音を始めたのはモテたかったからだとか、そういうの同じ部の先輩から聞いて、なんかすごく親近感?が湧いちゃって。 だからかな。先輩が軽音部の人たちとアイドルやるって聞いた時はほんとに驚いたし、先輩の音楽がもっとたくさんの人に聞いてもらえるんだって嬉しかったし、何より、先輩はもう私の手の届かないところに行っちゃったんだなって、複雑な気持ちになりました笑 元々近くもなかったですけどね。この恋心は先輩に伝えることなく、これから先も「秋山隼人推し」でいたいなって思います。

5.北村想

高校の時、同級生でした。北村くんってちょっと不思議な雰囲気があって、なんとなくどこか浮いてたんですよ。でも嫌われてるとかではないし、優しいし、むしろみんな北村くんのこと好きでした。 私も北村くんのこと友達として好きだったんです。 でもある日、たまたま北村くんと放課後一緒に掃除することがあって。本当に2人きりで、みんな先帰っちゃってて、オレンジ色になった教室ですこし話してたんですよ。将来はどうしたい〜とかそんなとりとめない話。 私、本当に将来が決まってなくて、なんか適当に大学行こうかなーって話したらそれまでにこにこ話してた北村くんが唐突にじっ、って私のことみつめて「僕は自分のしたいことがやりたいなぁ〜」って。少し寂しそうに笑ったんです。 その瞬間、あっこの人のこと好きだって思っちゃって。恋に落ちました。 その後、進級の時にクラスが別れたこともあり、後にも先にも北村くんと2人で話すことはありませんでした。あれからちゃんとやりたいことが出来て大学に進学した私はテレビの中でしか北村くんを見ていません。 北村くんの姿を見ているときっとそれが北村くんにとってやりたいことを成し遂げるためのアイドルなんだなって思って、嬉しい反面、失恋したんだなぁって思っちゃって、ほろにがいです。

6.舞田類

 同じ大学のサークル仲間でした。同じくアイドルの北斗くんと2人でいることも多く、サークル内の女子のなかではどっち派か常に論争がありました。男性陣もあの2人なら仕方ないという雰囲気で、ギスギスとかはなかったと思います比較的。北斗くんにキャーキャー言いながら舞田が好きな子が一定数いた気がします。その1人です。思い切って声かけた合宿でツーショット撮ってもらって嬉しかったな…

7.信玄誠司

結論だけ先に言いますが、誠司さんの事を子持ちだと勘違いして諦めた事があります! 4年前のことなんですけど、新卒から10年働いた会社を急にクビになったんですよね。そんな様子なんてなかったから何ひとつ受け入れられなくて、呆然としたまま帰ってたわけです。まあそんな様子だから家に帰る気も起きないし、とりあえず落ち着くために公園のベンチに座ったりして。 座り込んでボーッとしてたら走馬灯みたいに記憶が蘇ってきたりして、30半ばにもなる男が何感傷に浸ってんだか……とか思って油断してるところに天気予報でも予想できない急な大雨!泣きっ面に蜂って感じでしたね。それでも家に帰る気は起きなくて、このまま雨と一緒に溶けていきたいとか思ってたんですけど、そこに現れたのが誠司さんでした。 大雨の中スーツ姿びしょ濡れでベンチに座ってたからか、とても心配した様子でオレの方に傘を寄せながら話しかけてくれました。でもいい歳した男が知らない人に泣きつくわけにもいかないし、いい感じにごまかそうとしたんですよね。けどそれも見透かされてたらしく、真剣なカッコいい顔で「自分でよければ話してくれないか」って言われました。こうなったらもうしょうがないって感じなので洗いざらい全部話したわけです。すると自分の思ってた以上に限界が来てたらしくてぽつぽつと涙が出てきちゃってて、それでも誠司さんは黙って聞いてくれてました。 話終わった後の記憶があんまりないんですよね。泣いちゃってたせいで感情が極まってたのかふんわりとしか思い出せなくて。確か優しい言葉をかけてもらいながらびしょ濡れだし一度家に来て少しでも乾かした方がいいみたいな感じで家に連れて行ってもらったんです。 そんな感じで家にお邪魔させてもらって、体拭いたりとかスーツの水気取ったりとかもさせてもらいました。ただ余りにも濡れすぎてて小手先だけの対処じゃどうにもならず誠司さんもそれを分かってくれたのか、着替えを貸してくれたりだとかクリーニング屋の位置を調べてくれたりだとかをしてくれました。オレもこれ以上迷惑をかけるのは良くないなと思ったので、雨も止んできてたし着替えは後日洗って返すって約束してその段階で家を出させてもらいました。でもこの時「ご飯食べて行かないか?」みたいな感じで誘ってもらってて、食べれば良かったなって思ってます(笑)。 そんな感じで家に帰ったりクリーニング屋に行ったりしました。この時に内心(もしかして……お近づきになれたりするのでは!?)ってちょっと希望持ったりしてたんですよね。今思い返すと恥ずかしい話ですけど、親切にされちゃって好感度がバグってたんだと思います。 次の日にはもう着替えを返しに行きました。食べるか分からないけどちょっとしたお詫びのケーキも持って行ったりして、ルンルンで向かってたんですよね。もしかしたら一緒にケーキ食べたりできるかも!って思いながら……それで誠司さんの家に着いて服を返したりそのケーキを渡したりとかはできたんですが、玄関先でやり取りしてる時に、家の奥にチラッと見えてしまったんです。小さな女の子の姿が。 その一瞬自分の中の時間が凍り付きましたよね。あっお子様がいらしたんですね……って感じで。それで自分の気持ちが絶対に成就しないって思い込んでしまって。「折角だから〜」って言おうとしてるところに用事があるのでって焦って帰っちゃいました。 帰った後はもうひたすら泣いてましたよね。別の意味で。そりゃあんないい男に相手がいないわけないよなってめちゃくちゃ酒飲んで1人管巻いたりしてました。それ以降誠司さんには会ってないです。 そんなことがあったので、アイドルを始めたって見た時も娘持ち!?ってスクープされてた時もめちゃくちゃ心配だったんですけど、その後に姪だったっていうの見て、もうめちゃくちゃビックリしちゃったしその瞬間過去の自分をめちゃくちゃ後悔しましたよね!!!ちゃんと聞いとけばよかったって!!!でも、どちらにせよアイドルを始めるくらいの人なので自分なんか眼中にもなかったと思うし、アイドルを始める人に自分みたいな感情を持った人間が近づいたらダメだよなって思っています。今はあの時の選択が正解だと信じて、誠司さんのアイドルとしての大成を遠くから祈るのみです。

8.天峰秀

中学3年生の頃隣の席だった天峰くん。 綺麗な顔立ちとその才能から全然話しかけれなかったけど、同じアニメやゲームが好きってことで意気投合してたまに一緒に遊びに行くようになったなぁ。一緒にカラオケに行ったときは二人でずーっとアニソン歌ってたし、ゲーセンに行ったときはカーレースゲームで何度も競い合ったなー。 けど私が高校に行く前に遠くに引っ越すことになっちゃうから、卒業したら中学校の前で集まってどこか美味しいものでも食べに行こうねって約束したのに、貴方はテレビの中で輝く遠い存在になっちゃった。 貴方の透き通るような爽やかな歌声も、私まで笑顔になっちゃうような笑顔も、楽しそうに話す姿も、全部私だけのものだと思ったのに。 私だけのアイドルだったのになぁ。

9.九十九一希

私の父は小説家です。子供の頃、出版社主催のパーティーに父と参加したことがありました。案の定私のような子供は場違いで、煌びやかな会場で迷子のような気持ちでおりました。そんな時、壁側の椅子に本を持って座っている同じくらいの子がいました。「あなたも一人?」と声をかけると、彼は静かに頷きました。「…人ごみは、あまり得意じゃないんだ」という彼とはなんだか仲良くなれる気がして。「抜け出しちゃおっか」と彼の手を引いて、夜のバルコニーに出ました。その日は天の川がとても美しくて見惚れていると、彼は夢見心地で物語を紡ぎ始めました。きらきらと星の海を愛おしげに見つめる横顔に、いつしか私は惹きつけられていました。面白い、どんな小説よりもこの人が。あれほど心が燃え上がる経験は今でもありません。きっと、初恋だったのでしょう。 のちに彼が父の友人である九十九先生のご子息であることと、父の遺作の編纂に携わってくれたことを知りました。

10.山下次郎

大学時代に1年くらい付き合ってた。アイツマジでヒモの才能ある。妙に優しいのは性格だったと思うけど、それに絆されてまあお金払っていいか〜って思わせるってすごい才能だわ。バイト代入ったら「この間の分」って渡してくれるから、相手を騙そうとかは思ってないのがなおさら悪い。 山下次郎がいい男だっただけの話になるんだけど、こういう話、もっと話したほうがいいと思うよ。 大した恋愛してないとか言うんじゃないよ、あんたの元カノたちに失礼でしょうが。まあ大変な元カノもいっぱいいそうだったけどね

11.握野英雄

少年課勤務の警察官です。握野先輩、笑顔を作るのが苦手なんだって警察官時代からよく言ってました。でも、甘いもの食べた時は凄くニコニコしてるし、子供を見守ってる時はとびきり優しく微笑んでて、そういうふとした瞬間の横顔を盗み見ては「好きだなぁ」って思ってました。結局この想いが実る前に先輩は警察官を辞めてしまったけれど、先輩の選んだ道なら応援したいと思ってます。でも、ステージ上でキラキラした笑顔を見せる先輩を見ると、あの頃は隣で見ていた笑顔が遠くに行ってしまったな、と寂しくもなるのです。

12.鷹城恭二

アイドルになるまで、鷹城くんのお友達でした。 出会いは鷹城くんが働いてたコンビニで、レジに財布を忘れてしまった私を店の外まで全力で追いかけてきてくれました。 鷹城くん、正直接客態度は最悪だったけど、実はいい人なのかも、とその時に初めて思って。常連になりました。 通ってる内にゲーム好きという共通点があって、意気投合しました。 ほぼ毎日通っていて、マジで迷惑なんですけどコンビニに長居する日も全然あって。 私も鷹城くんも、お互いのこと、好きだったんだと思います。 大体1年くらい経った時かな、ある日突然「俺、今月で辞めるんすよ」なんて言うから驚いて理由を聞くと「…アイドルに、なるんで」と。はぁ!?ですよね。そこから通う頻度を減らして、気持ちを抑えてたんですけど、昨日テレビで鷹城くんがラブソング歌ってるの見ちゃいました。 私のこと、思い出しちゃえばいいのに。

13.渡辺みのり

みのりくんとは小学校からの幼なじみです。 小学生の頃からみのりくんに片思いしてました。私が社会人になった頃に花屋に行ったらそこでみのりくんが働いてました。高校を卒業して7年ぶりくらいにみのりくんに会いました。話しかけたら「仕事がもうすぐ終わるから近くの店でゆっくり話そう」と言ってくれました。一緒にお店に入って昔の話、高校生の時みのりくんがヤンチャしてた話をしてとても盛り上がりました。どうしてもみのりくんに片思いしてたことを伝えたくて「昔みのりくんに片思いしてたんだよ。昔はみのりくんのこと好きだったんだよ。」と伝えたら「ありがとう。俺も昔お前に片思いしてたよ。もっと早く伝えてればな〜…」と笑顔で答えてくれこと今でも忘れません。その時私はもう彼氏がいたのでみのりくんと付き合うことは叶いませんでしたがもう少し早く勇気を持ってみのりくんに伝えていたらみのりくんと付き合えていたのかなと少し後悔しています。今はアイドルで輝くみのりくんをみて勇気をもらっています。幼なじみとしてこれからもみのりくんのことを応援していきたいと思います。

14.ピエール

こんにちは。私はピエール一家と長年交流のある家庭の出身です。翻訳機を通したので、文章がおかしかったらごめんなさい。 私自身はピエール様をパーティで一度だけ見たことがございます。ピエール様と国王が、父上に挨拶に来るのを物陰から見ていたのですが、なんだか疲れているような、悲しそうな顔をしているな、と思ったのを覚えています。その後、父上からピエール様が外国に旅立ったらしいということを聞き、とても驚きました。 ところが最近、テレビの海外特集番組でピエール様のお姿を一瞬だけ拝見しました。ご友人たちと一緒に、キラキラとした笑顔で元気そうにしている姿を見て、少しほっとしました。 ピエール様が思い描く、平和で笑顔あふれる国は、まだ実現していないのかもしれません。ですが、いつかまた笑顔でこの国に帰ってきていただけることを願うとともに、そこでの生活を陰ながら応援しております。

15.葛之葉雨彦

大学の時に同じ学部と学年で、身長の高い人が好きで顔もかっこよかったから猛アタックして付き合ったことあります。二ヶ月も続かなかったんですけど。 家業が優先とか服が独特とかは別に覚悟してたんで気にしなかったんですけど、一緒にいても話しても全然距離が縮まらないというか……こっちが近づこうとすると向こうが引いてくるみたいな感じでにっちもさっちも行かなくてすごく苦労しました。 二ヶ月目に入ったあたりにやっと、これからどうしたいのとか話できたんですけど、……めちゃくちゃ怖くなっちゃって。聞いても家業で掃除をやる、しか言わなくて……考え方がわかんなすぎて……あ、違いますよ。そのへんでぐうたらしてたり親のスネかじってる学生とかとは違くて。人形みたいだなって……この人と一緒にいたらきっと私のことも守ってくれるだろうけど、でもいつの間にかいなくなって、帰ってこなさそう……っていうか。 話した帰り道に別れようって言いました。怖いって思ったのも伝えました。しばらく黙ってから「……悪かったな」って。 その時の彼の顔、思い出せないんですよね。夕焼けがすごく眩しい日でした。 

16.硲道夫

 私、根っからの文系だから理数系のテストいつも赤点だったんです。でも先生は嫌な顔ひとつせずに質問に答えてくれて、補習の時も「補習にきちんと出席するのは良い事だ」とか言って褒めてくれて。単純だなとは思うんですけど、そこから先生の事好きになって、告白したりアタックしたりしたんです。でもまぁ見事に全部躱されちゃって!じゃあ勉強頑張れば振り向いてくれるかなとか思って真面目にやってみたりもしたんです。 でもあの人は最後まで首を縦に振ってくれなかったです!今思えばそりゃそうだろって話なんですけど、あの時は子供だったから、卒業式の時についに爆発しちゃって。朧気にしか覚えてないですけど、そしたら先生が「君が私の生徒であることに変わりはない。先を生きなさい、君の人生はまだこれからなのだから。」みたいなこと言ってくれて、それでハッとしたんです。 この人は私の“恋人”とかじゃなくて、“恩師”であるべき人なんだって思って、それからはもうすっぱり恋心も忘れちゃいました。 そんな先生がアイドルになるなんて思ってもみなかったですけどね。いや、ある意味あの人らしいと言えばらしいのかもしれないですけど笑 これからは推しとして、先生のことを応援したいですね。

17.天道輝

元カレの所属するアイドル事務所が炊飯器メーカーとコラボして、炊飯器の音が全て元カレの声になったらしい。SNSのトレンドで知って気になって公式サイトを確認してみた。…マジだった。 どうやら「ご飯できたぞ〜」やら、「さあ、、召し上がれ!」やら、「炊けるまでちょっと待っててな」など数種類のセリフが音声収録された専用モデルを発売予定なのだそう。 たぶん、スタッフさんと話し合って決めたんだろうけど、収録される予定のセリフは全て、わたしがかつて隣で間近で聞いてきたものと同じだった。 当時、弁護士として働いていたから彼だって忙しいはずなのに、わたしが遅く帰宅したときは完成間近の彼の手料理がいつもお迎えしてくれた。カフェエプロンをつけてお玉を片手にキッチンで作業していたのを、わたしは向かいのカウンター側から見ていることが多かった。 彼の料理は全て美味しかった。それは、とても。 時折そんなことを伝えると、 「美味しいのは〇〇と一緒に食べてるからだな!」 そういって、彼は照れくさそうにしながらも口の中に箸を運んでいたのを思い出す。そしてそのまま他愛もない会話は続き、やがて恋人たちのやりとりが始まっていたっけ。 もう二度とわたしにその資格はない。もう一度、と願ってしまう自分が心のどこかにいるけれど。 もうそんな願いは叶わないけれど。でも、どうか。どうか貴方が息災であることだけを願うことだけは、赦してほしいの。 ありがとう。わたしだけの最高のヒーローだった彼の人よ

18.古論クリス

大学生の時付き合ってました。私は海洋生物含め、生物が大好きでクリスくんと会う度に熱く語り合ってました。半年くらい付き合ってたんですけどいつも話すのは海や生物のことばかりでそういう感じの雰囲気には一切なりませんでした。一緒にいてとても楽しい人でした。だけど半年も付き合って海が好きなこと以外相手のこと知らないのは私がクリスくん本人にそこまで興味が無いのだと思い、この先進展する未来が見えなくて別れました。それでもクリスくんと語り合った時間は私の宝物です。

19.木村龍

中学と学年が一緒で、同じクラスになったことは無かった。 当時、その日に提出しなければならない宿題が終わっておらず、通学路を歩きながらペンを動かしていた。しかし、丁度隣を通った木村龍に 同時に道路を走った車から水溜まりの泥水が勢いよく掛かり、私も持っていた宿題が冠水してしまった。先生も木村龍の不運については重々承知だったため、私たち2人とも怒られることはなかった。だがその後も木村龍がずっと申し訳なさそうにしていたので "していない宿題なのでラッキーだった" と言うと、少し驚いた後に眩しい笑顔を向けてきてくれたのを今でも覚えている。 勇気が出ずフォロー出来なかったインスタはいつの間にか消えており、成人式でも同窓会でも私に彼の姿は見つけられなかった。久々に顔を見たのは、もう、画面の向こう側だった。

20.紅井朱雀

小学生の時の同級生で、いつも元気なTHE男子って感じでしたがいじめっこを許さなかったり下級生には優しかったので人気があったのを覚えてます。私もクラスの男子にスカート捲りをされて泣いてたところを「女子泣かせることするんじゃねぇ」って言って助けてもらいました。お礼も兼ねてバレンタインデーにカップケーキをあげたらも甘いものが好きだったのかめちゃくちゃ喜ばれて、可愛い所もあるんだなと思ったのを覚えてます。 ホワイトデーのお返し照れながらくれましたよ、可愛い猫のクッキー。あれきっとお母さんが選んだんだと思ったんですけど 今思うと紅井君がちゃんと選んでくれたのかな?

21.円城寺道流

いつも仕事帰りに通う男道ら~めん。 疲れた身体に食べる一杯のラーメンが美味いんだ。 3回目に寄った時、店主にしては若い笑顔が爽やかな円城寺さんが「あっ、今日もきてくれたんスね!嬉しいッス!」って言ってくれたり、 それから回数を重ねると「今日はいつも来てくださってるサービス!トッピング全部乗せッスよ!」って言ってくれて… 他の客にもやってるんだろうなって思ったけど、どうやら俺だけのようだ。 嬉しいやら気恥しいやら。 たまに試作ラーメンも食べさせてくれた。 中々斬新なラーメンだったが、目をキラキラ輝かせながら見てくるもんだから…俺も頑張って食べたもんだ。 俺はこの円城寺さんをいつの間にか好きになっていた。 それなのに…今日は店が休みなのか…風邪でも引いたのだろうか。 と、コンビニ弁当を買って帰って家でテレビを見ていると… 「俺だけのアイドル…だったのにな…」

22.花園百々人

私は花園くんと中等部から同じ学校に通っている同級生です。 今は生徒会副会長として花園くんと同じ生徒会役員をしています。 たくさんの実績があって、綺麗な顔立ちで、皆から好かれている花園くんが推薦で出馬してしかも生徒会長になったとき、自分から立候補した私はすごく惨めな気持ちになりました。 正直ちょっぴり泣きました。だって彼髪色ツートンですよ。私はピアスすら開けたことないのに。憎かったです。 ですが、ある事がきっかけで私もまた花園くんの虜になりました。 初めての新生徒会メンバーの顔合わせの時に花園くんは誰よりも先に鍵を職員室に取りに行って生徒会室で1人待っていました。 てっきり遅刻癖のある人だと思っていたので驚きました。 その時ね、風が吹いたんですよ。 そう、風が。 彼の金髪が窓から見える夕日に照らされながら冬の乾いた風に吹かれてキラキラ輝いているを見て、ドキッとしたんです。 あぁこの人には敵わないな、と思いました。 それまでの劣等感は彼の前ではお手上げといった感じで、強い憧れに変貌を遂げました。 自分でも笑っちゃうくらい単純ですね。笑 花園くんはただ生徒会室の鍵についたキーホルダーを眺めていただけなのに。 あの後私を認識して薄く笑った彼の「演説すごく良かったよ。」が今でも宝物です。 花園くんはアイドルのお仕事で忙しいので、私は今日も副会長として花園くんの代わりに意見箱の中の投書をファイリングしたり毎週水曜は校内パトロールをしたりしています。 相も変わらず人気者の花園くんはアイドルとしての人気も上々のようで、私まで鼻が高くなる思いです。 けどあの日の、換気が少し効きすぎた生徒会室の中の花園くんは確かに私だけのアイドルでした。 私だけの偶像でした。

投票はこちらから!

docs.google.com

 

投票期間は1月18日0:00~1月19日23:50です。

次回の投票は1月20日0:00からスタート! お楽しみに!