私だけのアイドルだったのにな選手権

私だけのアイドルだったのにな…※アイドルマスターSideMの二次創作企画です。公式様とは一切関係ございません。

#私だけのアイドルだったのにな選手権 予選第1ブロック

皆様、お疲れ様です。つのと申します!

いよいよ「#私だけのアイドルだったのにな選手権」予選がスタートします!

投票期間は1月4日0:00~1月5日23:50 です。くれぐれもご注意ください。

投票フォームはページの一番最後にございます。「好きなエピソードを3つ」選んで投票してください!

編集上の都合上、改行を省略しております。ご了承ください。

1.九十九 一希

かつて一希さんのお父様の担当編集をしておりました。九十九先生が文筆の面でスランプに陥られ、一希さんの作品を先生のものとされていたことも存じております。本来ならば代筆の件を止めるのが編集としての正しい務めだということは承知しておりましたが、一希さんが綴られた言葉一葉一葉が美しく、私は卑しくも一希さんの紡ぐ物語、そしてそこから感じ取れる一希さんの人となりに惹かれてしまったのです。私が九十九先生から一希さんがしたためた小説を受け取り、それを校正してお渡しする、という一連の流れを、まるで私と一希さんとの間で秘密の恋文をやり取りするかのような心地で行っていました。 ですが、やがて一希さんが先生のゴーストライターであることをお辞めになったことで私も編集者としての職を退くことを決意しました。代筆の件を知っていながら黙認していたことは彼ら親子双方に対する背信である、などと言葉にすればなんとでも言えるのですが、結局のところ私はあの経験を経た以上一希さんを介さない九十九先生の作品に魅力を感じることが出来なくなってしまったのだと思います。 アイドルをされている一希さんは「九十九一希」一個人としての表現の場に恵まれとても輝いていることは分かっています。しかし私が好きになったのはお父様の影としての役割の中でも懸命に自分の言葉を綴られていた彼なのです。 いつか一希さんが彼自身の名で小説を書き上げられる日が来るかもしれません。しかし、私がそれを手に取ることはないでしょう。

 

2.渡辺みのり

大学時代、一人暮らししていたアパートに帰る途中にある商店街でみのりさんに一目惚れして、それ以降お花屋さんに通っていました。正直特別花が好きというわけではなかったけど、みのりさんと少しでも長く話したくて花についてたくさん質問しているうちに詳しくなってしまいました。結局大学4年間健気にお店に通い続けましたが、特に何もできないままその町から引っ越しました。その時はまたお店に行けば会えるかなくらいの気持ちだったので、アイドルになったと知った時は少し寂しかったです。  お花屋さんの時は年上の落ち着いたお兄さんとしか思っていませんでしたが、テレビで大好きなアイドルについて熱く語るみのりさんを見て、こんな一面もあるのかと驚くと共に、改めて全然脈がなかったんだな〜と笑ってしまいました。貴重な大学の4年間を花屋のお兄さんへの片想いに費やしていたのはもったいなかったかなと思うこともありましたが、無事素敵な旦那さんに出会えた今では良い思い出です。  先日、ファンレターで「結婚式でBeitの曲を流しました」という報告をしたら、綺麗な押し花と共に「結婚おめでとう。言ってくれたらブーケの花選んだのに!」というメッセージカードが返ってきて、神ファンサにひっくり返りました。言ってくれたらって言うわけないじゃん!あんなにかっこいいアイドルが今でも私の名前を覚えててくれるんだから、4年間の恋もちょっとは報われたかなと思います。今も昔も、みのりさんは私にとってのアイドルです!

 

3.硲道夫

硲道夫さんの元同級生です。 彼とは家が近所で、幼い頃から家族ぐるみで付き合いがありました。 彼は気になることがあると周りが見えなくなる質で、図鑑だったりアリの行列だったりパズルだったり水溜りだったりに夢中になって置いていかれそうになることがしばしばありました。そんな彼に一番初めに気がついて声を掛け、集団に引き戻してやるのはいつも私でした。 親も「あんたが道夫くんについててあげな」と私に言い聞かせましたし、先生や周りの大人たちも「しっかり者の○○ちゃんが一緒ならなら安心」「さすが○○ちゃん、お姉さんだね」と褒めてくれました。彼自身も私を頼りにしてくれていたと思います。 私が4月生まれで成長が早かったのもあって、その頃はお恥ずかしながら「この子のことは私が導いてあげなければいけない」という使命感を持ってました。 小学校に入ると博識で運動神経も良い彼は周囲から一目置かれるようになりましたけど、勉強でも運動でも彼と対等に渡り合える──なんなら彼よりも前を行くのは、私だけでした。学年のツートップとして切磋琢磨する日々はとても充実していましたし、何より「彼と私にしか分かり合えない二人だけの世界がある」という薄暗い充足感があったのも確かです。私たちのやりとりを同級生から夫婦みたいだと揶揄われた際には「幼稚園からずっと一緒やし、私が見てないとすぐどっか行くからついてやってるだけ」と否定しながらも、内心は舞い上がっていました。 幼い私が将来をふと想像する時、そこには当たり前のように彼がいました。きっと私はこれまでと同じようにこれからもずっと彼と一緒にいて、いつか本当に夫婦になるのだろう、となんの衒いもなく自然に思っていました。だって、私の隣に相応しいのは彼くらいで、彼の隣に相応しいのは私くらいだったからです。 「父のような先生になりたい」と話す彼に、「じゃあ、どっちの方が良い先生になれるか勝負ね」と言ったことがあります。私が先生になろうとしていることに彼は少し意外そうでしたが、「僕たち二人ならきっとたくさんの生徒を導ける」と真剣に頷く彼の瞳は何よりも綺麗に見えました。それが私たちの夢でした。 中学の入学式には二人で一緒に行きました。また私たちの仲を揶揄われるかもと思いつつ、初めて会う人達にも付き合いの長さを見せつけてやればいいとほくそ笑む私もいました。周囲から浮きがちな彼が新しい環境でも馴染めるように私が間に入ってやらないとと考えながら、部活はどこにするとか制服のサイズがまだ大きいだとかそんなたわいのない会話をしたと思います。初めて違うクラスになった彼を「私がいなくてもちゃんとやっていくんだよ」と小突いたら、思ったよりもむっとした表情の彼に「大丈夫」と手を払われたのを覚えています。 それが原因となったわけではありませんが、私たちは次第に疎遠になっていきました。本当に身勝手な幼い独占欲なんですが……「頭は良いけどよくわからないヤツ」としてクラスとほんの少しだけ距離のあった小学校時代とは打って変わって、彼がクラス中の人望を集め輪の中心に立つようになったからです。みんなに頼られる彼はもう私の後ろを覚束ない足取りで着いてくる弟分ではなく、今習っている数学の単元について彼が楽しそうに語る相手は私ではない。あんなに私がいないとダメだったのに、彼のことを理解できるのは私だけだったのに、と勝手に裏切られたような気分の私は彼とどう接すればよいかわからなくなってしまって、高校ではなんとなく親しくなった男子となんとなく恋人になってみたりもしました。でもやっぱり心のどこかであの日夢を語ってくれた、隣で同じ夢を見ることを受け入れてくれた彼の瞳が忘れられないままでした。 上京した彼が久々に地元に帰ってきたのは成人式の日でした。同窓会で再会した彼がまた昔みたいに私の隣に戻ってきてくれる──なんてことはなく、彼は私とは離れた席で中高のクラスメイトに囲まれていました。 それぞれが思い出話で盛り上がる中、ある時彼のいる席からドッと歓声が上がって、彼の携帯電話を覗き込んだ男子が「硲お前、いつの間に東京で可愛い彼女作ってやがった」と彼の肩を揺さぶっているのが見えました。少し居心地悪そうにしながら「大学で知り合った」「隣で切磋琢磨してくれる、尊敬に値する女性だ」と話す彼の、照れた時に少しだけ目を逸らすわかりにくい癖が昔と変わっていないことに気付いてしまって、なぜだか無性に虚しかったです。お幸せにとか俺にも紹介しろとか口々に囃し立てる声がした記憶はありますが、その後のことはあまり覚えていません。 それから私は彼の帰省の度にこれまで以上に彼との遭遇を避けていましたが、ある時偶然鉢合わせてしまったんです。目が合った途端に逃げ出そうとする私の行手はいつの間にか彼に阻まれて、「私なんかに構ってたらダメだって、彼女さんおるんやろ」とかろうじて絞り出した弱音にも等しい答えはきっと震えていたと思います。けれど彼は依然私の前から動きませんでした。「……何故だ。他にどんな交友関係ができようと君が僕にとってかけがえのない友人であることに変わりはないのに」君は僕を疎ましく思っているのかもしれないが、と付け加えた彼が珍しく自信無さげで、思わず「そんなことないよ」と言っていました。「私が勝手にあんたの友人に相応しくないって思っただけ、だってまだ先生目指してるやろ……諦めた私と違って」彼が今でも友人として認めてくれていた誇らしさと、安堵と、彼からも自分の想いからも逃げてきた自分の浅ましさでぐちゃぐちゃになりながらなんとかそう告げると、彼はひどく驚いた顔をしていました。 「それは違う、いつも前を行く君に追いつけるように必死だったのは僕の方だ。僕が今でも夢を諦めずにいられるのは、君がかつて僕の夢を肯定してくれたからだ」 なにそれ、って私は笑いました。多分それが、15年は続いた私の初恋の終わりでした。 「じゃあ、私の分まで夢を叶えてよ。道夫が」と言ったら彼は私の手を力強く握って、切実そうな顔で「わかった、約束だ」と頷きました。そんなに真剣に捉えなくてもいいのに、おかしいですよね。 数年前に親の紹介で知り合った3歳年上の男性と結婚して、今は2人の子供がいます。夫の転勤に合わせて島を離れ、子育てに忙殺されている内に彼が教師を辞めてアイドルになっていたようで驚きました。あんなに重々しげに約束したのにってちょっとムカついたけど、調べてみたら「生徒を導く元教師ユニット」と書かれていてなんだか気が抜けました。「生徒を導きたい」っていう夢は変わってないみたいなので許すことにします。 去年の夏、彼が地元の花火大会のリポートをすることになったと家族から連絡がありました。同級生達で集まるって聞いたけど、私は行きませんでした。彼がいつか夢を叶えられたら、その時はファンとして、アイドルの“道夫先生”を見に行ってやってもいいかなと思います。

 

4.桜庭薫

私は桜庭と外科医時代に同期だったの。外科医時代の彼の評判は酷いものだったわ。 指導医からは「患者の気持ちを汲み取れない」。 同僚からは「協調性が皆無」。 そんなことをよく言われていた。 でも、指導医も同僚も最後に口を揃えて言っていたことは「腕は間違いない」ということ。 実際、患者さんも「無愛想で厳しいけど、彼に診てもらったあとが今までで1番調子がいい」という声が多かった。 私はそんな彼に興味があって、何度か飲みに誘ったけど、毎回断られてた。 けど、1度だけ桜庭から飲みに誘われたことがあったの。 そのときの彼はやけに真面目な顔をして飲みに誘ってくるから、私も身構えたわ。 お店に入って、席に腰を下ろして、飲み物を注文する。 そうして一息ついたあとの彼の第一声は「アイドルになろうと思う」だった。 申し訳ないけどビールを吹き出したわ。 まさか、桜庭から「アイドル」なんて単語が聞けるなんて思いもしなかったし、ましてや桜庭がアイドルになるなんて考えたこともなかったから。 私がむせていると彼は不服そうに「帰る」と一言言って席を立とうとするものだから、必死になだめたわ。 理由を聞くと、つまるところ「金がいる」からアイドルになる。 私は最初は納得いかなかった。外科医としてあれほどの才能を持ちながら、お金のために医者をやめてアイドルになるだなんて。 「医者だって十分高給取りよ」 私がそう言っても、彼は違うんだという顔をしていた。結局最後まで核心に迫る話は聞けなかった。 けど、桜庭が私利私欲のためにお金が欲しいわけじゃないのは今までの彼を見ていればわかることだったし、私が何を言ったって彼の心が変わることはないことも感じたから最後は諦めたわ。 「そう。まあ頑張ったらいいんじゃない。今のうちにあなたのサインもらっておいた方がいいかしら。」 「そうだな。僕は必ずトップアイドルになる。」 相変わらずすごい自信。そう思ったわ。終電も近づいてきた頃、最後に私は気になっていたことを聞いたの。 「ところで、なんでこの話を私にしてくれたの」 「君は僕の次に優秀な外科医だからな」 そう言って彼は優しく微笑んだわ。 そのときの私に向けられた優しい微笑みが忘れられないの。彼はズルい男よ。

 

5.葛之葉雨彦

昔といっても数年前のことだけど、俺が叔父と2人で暮らしてた頃にアヤカシ清掃社の人が定期的に家に来てた。叔父の家は郊外にある大きな家で、2人だと持て余すし掃除も大変だから…とのことだった。実際、数年使ってない部屋がいくつもあって、そういう部屋が集まってる部分はお化け屋敷みたいだなと子供ながらに思っていた。色んな人が掃除に来てくれたけど、雨彦さんが来てくれる時が一番好きだった。 清掃社の人たちのお仕事がある程度終わった後は、一緒におやつを食べたり遊んでもらったりしていた。家の事情もあって周りの人達と馴染めなかった自分にとってはとても楽しい時間で、今でもその時のことが鮮明に思い出せる。叔父さんが用意した良いところのいなり寿司を食べていた時、表に出さなくても雨彦さんがとても嬉しそうだったのは意外だったし良い思い出だ。 一番の思い出はある夏のことだ。その日は近くの神社で夏祭りがあって、お仕事を終えた雨彦さんが一緒に行ってくれることになった。屋台や太鼓、小規模ながらも花火が上がったりして賑やかだったけど、人混みに揉まれて気分が悪くなってしまったので端っこの暗い部分で座って眺めていた。そんな俺を心配してくれた雨彦さんはペットボトルの水を買ってきてくれた。申し訳なくなって謝ったけど、「子供が無理するものじゃないさ」と優しく微笑んでくれて、花火に照らされたその顔は本当に眩しかった。その時、自分の気持ちを伝えようか迷ったけど、本当の気持ちを伝えたらこんな時間を過ごせなくなるような気がして言えなかった。その後は気分が少し楽になったので、ぶり返す前にさっさと家に帰った。帰り道では花火の感想を言ったり、人の多さや暑さに文句を言ったりして、それはそれで楽しい時間だった。 他県の大学に進学してからは詳しいことを知らないけど、今でも叔父の家には清掃社の人がきてくれているらしい。アイドルになって忙しいであろう雨彦さんが俺の家のことを覚えてくれてるかどうかはわからないけど、覚えてくれているなら嬉しい限りだ。

 

6.山下次郎

競馬場に通っていた頃によく姿を見かけて、なんか背が高い人がいるなあぐらいの認識でした。 たまたま近くの観戦席に座った時自分の馬券を落としてしまって、拾ってもらったことがあるんです。その時「ああ、俺もコイツ買おうか迷ったなあ。お互い頑張りましょうね。」と声をかけてもらい、頑張るのは馬だけどなあ。と思ったのを覚えています。彼アイドルになったんですね。

 

7.紅井朱雀

紅井は中学の頃、同級生だったんだけどほんの少しだけ憧れてた。ほんの少しだけな。 一匹狼やってたり度が過ぎた先輩達を1人で倒しにいったり困ってるジジババを助けたり……不良なのに正義感強くてムカつく奴だった。それでいて女子に密かにもてはやされてたから余計にイラついたの覚えてる。 でも学校で窓ガラスが割られる事件があった時に半端な不良だった俺を含めたグループが疑われた時に「そんなことする奴らじゃない」って真っ向から反論してくれた時は嬉しかった。 今でもお前のヤンキースタイル、憧れてるよ。ほんっとに少しだけだけどな!!!

 

8.ピエール

幼少期に身の回りのお世話を担当させて頂いておりました。年寄りで愛想のない男の私にもとても懐いて下さり、お兄様方とは違ってご自分の権力のことよりも国の発展を願い、弟には自分のような思いをさせてはならないとよく面会を希望されるような、本当に天使のような方でした。どうしてあのような方がわざわざ国を出なければならなかったのか、未だに疑問に思います。引き留めることができなかったのは、やはりあの方にとってこの国の環境が良くないものであることは認めざるを得なかったからでした。飛行機に乗る前に小さく手を振りながら笑んだあの瞳が、どうしても、どうしても忘れられません。

 

9.北村想

たまたま入った雑貨屋にものすごく見た目が好みの店員がいて、熱心に、とまではいきませんが通っていた時期がありました。自分から声をかけるほどの積極性は私にはなく、本当に鑑賞して楽しむといった感じだったのでそのうち行かなくなりましたが、後日バラエティ番組に出ているのを見てアイドルだった(アイドルになった?)ことを知って仰天しました。北村想楽、というフルネームもそこで初めて知りました。 レジ業務のテンプレ会話しかしたことなかったので、ゆるい感じの喋り方も、キャラも、何もかも想像していた彼とは違って最初は少しショックを受けましたが、相変わらず見た目は好みなので雑誌買ったりしてゆるーく応援してます。ライブも今度行ってみようと思います。

 

10.木村龍

高校生の時に同級生でした。入学してすぐの実力試験の時に消しゴムを忘れてしまって、当時まだあまり仲の良い子も居なかったので借りれる相手も居なくてどうしようと頭が真っ青になっていた時に、隣の席だった木村くんが「俺たくさん持ってるから使って」と貸してくれて救われました。テストが終わった後に返そうとしたら「今日1日ないと困るからそのままあげるよ」と言われてしまい、消しゴムは返せないまま、気持ちも言えないまま高校3年間が終わりました。そうそうないかなとは思いつつ、あの時以来「もしものために」消しゴムは複数持つようにしてます。木村くんみたいに困ってる人に笑顔で消しゴムを渡せる人になりたくて。

 

11.舞田類

大学2年の夏から一年ちょっと付き合ってました。 当時からめっちゃ明るくて面白い人でした。テレビ出てるあのテンションと全然変わってない(笑) 元々友達から、私が告白して付き合ったのもあって恋人してても、いい意味でずっと友達感覚でした。 川行って水鉄砲合戦しよ?って言って気軽に了承してくれる彼氏、多分後にも先にも類だけだと思ってます。 よく有名人が昔の友人探す番組あるじゃないですか、いつかアレに呼んでくれないかなって。流石に私が抱え続けるにはもったいないくらい面白い話無限にあるんで(笑)

 

12.黒野玄武

一学期だけ同じ高校の同じクラスでした。 ある日授業中にふと斜め前の席の黒野くんを見ると、彼はメガネを外してレンズを拭いていました。すらりとした背中を少し丸めて、長いまつ毛の目を伏せて気だるそうにそうしていました。 それはほんの数秒程度の出来事だったのでしょうが、私にはもっと長い時間に感じられました。私は確かにあの瞬間、黒野くんに恋をしていました。 私は夏休みに入ってすぐ転校してしまったのですが、黒野くんをテレビで見る度に、あの静かな横顔を思い出します。

 

13.握野英雄

高校の卒業式で、彼に告白しました。「俺でいいのか?」彼は驚きながらも頷いてくれて、大学生になったわたしと、警察官の彼との日々が始まりました。最初は、彼といる時間のすべてがきらきら輝いていて、ずっとこんな時間が続くんだと思っていました。彼からのメッセージが届くたびに、電話で声を聴くたびに、そして彼に会うたびに、彼への気持ちはどんどん大きくなって、もっとずっとずっと一緒にいたいなあとか、手をつないで肩を寄せ合って、抱きしめてほしいなあとか、そんなことを思うようになりました。彼もそんなわたしに応えてくれました。あの外見からは想像もつかない優しい彼のそのギャップがたまらなくわたしを虜にしていました。 けれど、そんなきらきらした日々は長くは続きませんでした。彼は優しすぎました。「お前が嫌がることは絶対しないから」彼のその言葉は、初めは彼の誠実さそのもので、なんて思いやりのあるひとなんだろう、このひとはわたしのことをきっと大切にしてくれるひとなのだと、信頼感にあふれていました。けれど、それは違うのだといつからか感じるようになりました。彼を求めるのはいつもわたしで、触れるのも手をつなぐのもキスを求めるのもぜんぶ、わたしからでした。彼はそんなわたしをいつも受け入れてはくれたけど、それだけでした。その優しさは、いつの間にかわたしにとっては苦痛になって、彼はわたしのことをそんなに好きじゃないのかもと思うようになりました。 ついにわたしは耐えられなくなって、彼に言葉をぶつけてしまいました。「わたしのこと嫌いなの?どうして?」彼の優しさのおかげで喧嘩なんてすることがなかったから、彼はすごく驚いていました。それでも、彼はひとこと、「悪かった」としか言ってくれませんでした。もっと、強く否定してくれると信じていました。俺だってちゃんと好きだよと抱きしめてくれることを、願っていたのに、そんな希望は簡単に打ち崩されてしまいました。終わりだ、と思いました。これ以上、彼に何を言っても、求めている答えが返ってくることはないんだと、悲しくも納得しました。「もういいよ、ごめんね」わたしはそう言って、彼との日々の終わりを迎えることにしました。 今思い返せば、彼ももしかしたら、わたしとの距離を測りかねていたのかもしれません。どう距離を縮めればいいか、恋するとは、愛するとは、それがわからなかったのかもしれません。もちろん、それはわたしも同じで。自分の気持ちを押し通して、同じように思ってほしいなんて、横暴にもほどがある。わたしたちの恋は未熟で幼くて、そんな関係の終わりは、必然だったんだろうと、わたしは何度も何度も自分に言い聞かせました。 そんな彼が、「Swing Your Leaves」のような愛にあふれた曲を歌うアイドルになるなんて、なんて皮肉なんだろう。いま、もう一度出会えたら、わたしたち、じょうずに『恋人同士』になれたかな。でもそんな日々、想像もつかないんです。きっとわたしは、彼と生きるべき人間じゃないのだと思います。彼にはきっと、彼を幸せにできるひとが他にいる。彼の幸せを祈りながら、わたしは彼の歌う『Swing Your Leaves』に耳を塞いでいます。この曲を素直に受け止めて、この曲のように、思い合えるひとと出会えるまで、きっとうまく聴けないんだろうな。 優しくて、かっこよくて、大好きだった。 握野英雄くんなんか、大嫌いです。

 

14.古論クリス

大学1年の時に古論先生の授業履修してました。先生の授業って出席も取らないしテストもないから楽単だ〜なんて言われて、顔目当てで履修してる女子とかも結構いてちゃんと聞いてる人少なかったんです。私は全然詳しくないけど海洋生物が好きだから授業の前後とかも質問に行ったりおしゃべりしに行ったりしてて、そしたらほんとに嬉しそうに海の話してくれて笑。休みの日に水族館とか博物館行ったって話したら写真が欲しいなんて言われてメアド交換したんですよ!あの古論クリスと…!笑(先生は知らないみたいだったけど、今どきエアドロで良かったのに。何となく勿体なくて言わなかったんですよね。) まあ般教だから半年したらすぐ会わなくなっちゃったし、いつの間にか先生が大学辞めちゃったって聞いた時は結構落ち込んだんですけど割と最近まで忘れてので、私も結局ミーハーな子達とあんまり変わらなかったってことですね。でも先生がアイドルになったって聞いてからちゃんと連絡先消した私偉くないですか!

 

15.信玄誠司

信玄が高校生の時同じクラスでした。山の方の学校だったので、クラスの人数が少ないこともありよく関わっていました。元々誰かを助けたいという気持ちが強い奴だったので、一緒にボランティアに参加したりしました。まぁ、私は推薦を取るためだったんですけど。 進路を決める時自衛隊に入るとか言い出した事に対して皆は驚いていたんですけど、いや、私服であんなに迷彩柄着てるとこみたらそりゃそうだろ、って感じで。そのまま私もあいつも地元離れちゃって。30の時同窓会に参加しなかったんで、自衛隊大変なんだろうなとか思ってたらアイドル。正直信じられませんでした。 でもまぁ、昔と変わらずに誰かを助けてるんだろうなとか考えたら信玄がアイドルやってるのもなんか納得できます。FRAMEのチケット取れるといいんですけどね、熊本公演やってくれないかな。

 

16.秋山隼人

小学生6年生のとき、私は隼人くんと同じクラスでした。ある日の給食で私の苦手な酢の物が出ました。担任の先生は給食を残すことを許してくれないタイプの人だったので、食べるしかないとは思いながらもなかなか箸が進まず、給食の時間を過ぎても私は1人で酢の物と睨めっこしていました。そのとき隼人くんが「なに?もうお腹いっぱいなの?俺、酢の物大好きだからもらっちゃうね」と言って、私のお皿に残っていた酢の物を全て自分の口に放り込んでいきました。綺麗になったお皿を1人で配膳室まで持っていく途中、校舎裏の影で「やっぱり酢の物苦手だな〜、でもかっこ悪いところは見せられないよな」としゃがみながら独り言を言う隼人くんを見ました。それ以来私は隼人くんのことしか考えられないです。

 

17.鷹城恭二

一年前まで働いていたスーパーでよく見かけていました。私、あんまりお客さんの顔を覚えるタイプじゃないんですけど、鷹城さんは買うものが少ない時なんかにバーコード読み取りやすい向きにしてくれていて。そんな気遣いしてくれるお客さんあまりいらっしゃらないので覚えてしまいました。大体、来店される時はお一人なんですけど、何度か3人でいらしてるところも見ました。最初は共通点よくわからない人たちだと思っていたのですが、アイドルデビューされたことに気づいて、驚きました。

 

18.天峰秀

私は秀のガチ恋オタクでした。 音楽投稿サイトで、たまたま新着に載ってた彼の曲を聴いたのが全てのきっかけでした。 聴いた瞬間「この人はいつか大きなステージに立つ」「その姿をこの目で見ていたい」と感じて、一気に彼の虜になりました。SVに新譜買いに行った時初めて会ったんですが、大人びた子だなと思ってました。でも今思えば彼、23時以降のクラブイベントには一切参加してませんでした。昼間開催のイベントでもタイムテーブルは前半の方でしたし、テキーラの代わりにエナドリガブ飲みしてました。 アイドルになったと知った時にはショックでした。歌ってる曲も聞いたんですが、間違いなく秀の音が入っていました。 秀は音ゲー公募にたまに名義を変えて参加してることがあったんですが、私はそれを全部聞き当ててきました。私の耳が彼の音を間違えるはずがありません。秀は私の中で初めて輝いた、音楽の一番星だったんです。知られるのは嬉しい、けど手が届かなくなってしまうのは寂しくて悔しいです。 そういえば、アイドルの界隈にはランダムのチェキがあるみたいですね。同人音楽界隈では、本人の許可が得られればツーショもサインも確定入手できますよ。私のスマホのロック画面、いつかお見せしたいものです。

 

19.円城寺道流

円城寺道流さんは私のヒーローでした。 小さい頃から習い続けていた柔道。それが原因で小学生のときなんかはゴリラ女なんかとからかわれることも多くて正直あまり柔道のことが好きではありませんでした。 そんな考えを変えてくれたのは、あの日テレビ越しにあなたが金メダルを手にするのを見た時からです。 必死に戦ってきたのだなと分かる姿形と達成感で満ちた笑顔と輝く金メダルにわけも分からず涙を流していました。 そこからは少しづつ柔道に向き合い、自分なりに円城寺道流さんに近づけるように努力してきました。 程なくして円城寺道流さんの引退を知りました。悔しさや無力感もありましたが、あなたのおかげで柔道を続けているということを無駄にしたくなくて悲しくても道場に通い続けました。 そんな折に知ったのがアイドル活動をするという知らせです。戸惑いが大きかったと同時に自分が大切にしていたあの時の金メダルの映像がこれから選手時代を知らなかった人たちに繰り返し踏み荒らされていくことへの怒りやそんなことを考えてしまう自分への情けなさが襲いました。 私は円城寺道流さんの家族でも恋人でもなんでもない人間のはずなのに。気付きたくなかったけれどたぶん私は柔道選手の円城寺道流がずっと好きだったんですね。 アイドルのあなたを好きになることは出来ないかもしれないけれど応援しています。

 

20.花園百々人

同じ中学でした。美術の時間、作品に向かう花園さんの顔が本当にカッコよくてそこから一目惚れしました。バレンタインデーのチョコと一緒に告白しましたが、「誰かを好きになるって事が分からない」みたいに言われて断られました。その時の顔は今でも僕の心にトゲみたいに刺さり続けています。

 

21.天道輝

私は天道先生が勤めていた弁護士事務所の事務員でした。 弁護士の先生方はとても忙しいので、事務員に対しては人使いがとても荒かったりします。 でも天道先生だけはどれだけ忙しくても朝出勤したら素敵な笑顔で「おはようございます!」って挨拶してくださりました。 本来は事務員が行う資料のコピーなども天道先生は自分でやられるので、申し訳なくて「私がやります」って声をかけたことがあるのですが、「事務員さんたち、最近忙しくて定時に帰れてないですよね?資料の用意は俺が全部やっとくので今日は帰ってください!これは弁護士命令です!」って言われて帰らされたこともあります。 多分、事務員の女性は全員そんな天道先生に恋してたと思います。天道先生は全く気づいてなかったですけど。

 

22.伊集院北斗

北斗くんの小学校5,6年生の担任でした。私がまだ新卒2年目で初めて担任を待った時だったので、最初はクラス運営もままならなくて、5月にはまともにHRもできないくらいクラスも荒れてしまって…正直困り果てていました。 北斗くんたら、そんな私を見かねたのか「僕に任せてくれませんか」って言ってきてくれて。とりあえずお願いしてみたら、一番反抗的だった女の子グループに近づいて「君たちみたいな綺麗な子が、授業を聞かないなんて美しくないことするのはもったいないよ」とか「そんな怖い表情してたら可愛い顔が台無しだよ」とか言ってて!そのままの勢いでクラス全員と話してるなぁとか思ってたら、1週間もしないうちに授業で手があがるクラスに生まれ変わらせたんですよ⁉︎ 齢10歳で、1クラス分の人数を相手に、日常の態度を変えさせるくらい心を掴んで動かすなんて…いや、今思うと本当にアイドルに向いてますよね…立派な大人になっていて、本当に安心しました。 北斗くん。あの時は本当にありがとうね。先生はこれからも応援してるからね。

 

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